「常に人に見てもらいたいと思って絵を描いているので、個展ができるというのはすごい喜びです。いろんな顔のある慎吾ちゃんなので、そこが香取慎吾のおもしろいところなので、自分を客観的に見たときに『この人、いろんな仕事をしているな』みたいな。俳優の顔があったり、歌手の顔があったり、バラエティもやらせていただいて、絵を描いているアーティスト、洋服のデザイナーとかいろんなことをやっていて、自分でふと『俺って何なんだろう？』っていうポジティブな『WHO AM I』もあれば、ちょっとネガティブに、みなさんもあると思うんですよね。ちょっと今日は辛いなとか、嫌だなというときに下を向いちゃって『自分って何なんだろう』と思うのも、『WHO AM I』だったりとか。そんな思いがすべて込められたタイトルになって、それで個展の会場内を闇と部分と光の部分にエリアを分けて展示をしています」

―会見では、香取さんの隣に、香取さんが生んだ「くろうさぎ」が。くろうさぎを立体化しようとした理由を問われると…

「…かわいいから…。今までもずっと絵に描いてきたり、かわいいのに、この子との出会いの始まりが、それこそ闇の部分だと思うんですよね。自分では気づいてなかったんですけど、実際にいたんですよ、うちに。（記者に向かって）ごめんなさいね(笑)。それで、何なんだろうなぁ、ぴょこぴょこぴょこぴょこすぐ隠れて、と思って絵に描いてみたら、いなくなったんですけど。それから自分の絵に登場するようになって。絵にはたくさんいるけど、その姿も見てみたいなと思って。で、この会場のなかにこの子が大きいシンボルとしていますけど、もっとちっちゃい子がいろんなところにいるので、くろうさぎに会えたらあいさつしてあげてください」

―会場内をあらためて見た感想は？

「僕もいろんな方の展覧会に足を運ぶことが多いんですけれども、前回の個展は劇場で開催させていただいて、客席もあって、すごい規模だったので、次にもし個展をやらせていただけるのであれば、いわゆる個展、をやってみたいなと思っていたんです。白い壁に。いわゆる個展を目指していたら、またちょっと違うところにいったみたいで。真っ黒の壁のエリアがあったり、気づけばスモークがたかれていたり。あと、今は流れてないけど、音楽が流れていたりしますね。渋谷慶一郎さんっていう、草彅さんの『ミッドナイト・スワン』のテーマを作った、渋谷さんといつかお仕事をしてみたいと思っていたのでお願いしました。一個のテーマをっていうふうに打ち合わせでお願いしたんだけど、そうじゃない新しい仕組み、なんて言ったらいいのかな、プログラミングをつくってくれて、会場のなかに24個のスピーカーがあって、音が鳴って勝手に共鳴しあって、AIみたいな。そのとき鳴っている音はもう二度と同じものは生まれない。光の部分と闇の部分、『WHO AM I』を耳でも音楽でも体験できるようになっています。…これ、さっきのテレビでも言えばよかったな…(笑)。個展なのに僕の場合、どうしてこうなっちゃうのか…(笑)。やっぱり、ショウとかライブで育ってきたので照明さんとの打ち合わせが多かったり、特効、スモークの分量とか、あと、プロジェクターの話とか、あと音響さんとか。コンサートを作ってるみたい(笑)」