僕のひみつ？　…実は人見知りです（笑）

　撮影中のエピソードで印象に残った思い出を聞くと、旅好きの渡部さんらしい郡上八幡での人々との触れ合いのシーンを上げてくれた。

「ずっと旅行ができなかった時期でもあったので、自分としてもすごく新鮮でした。古民家でのシーンでは岐阜の空気をすごく感じられたし、ささいなことですけど、みんなでそうめんを食べたり、そういうなにげないことが印象に残ってます。あと、ダンスシーンもあるのでそこはぜひ観ていただけたらうれしいです。ヒールを履いて踊ったんですけど、毎日ヒールを履いて働いている方たちを尊敬しました（笑）」

「すごくいい作品ができました。人は見た目だけじゃない」というメッセージを感じてほしいとも。

「バージンさんの『どんなに着飾っても内面が出てくる』というセリフがあるんですけど、人は内面が輝いてるかどうかが大切だと思うんです、そのために自分はどう生きるか。この映画を観終わったあとに、本当の美しさとは何か考えてもらえたらうれしいです」

　そんな渡部さんに、タイトルにかけてあまり知られていないひみつを教えてもらうと意外な答えが。

「…実は僕、人見知りです（笑）。周りからは社交的に見られがちですけど超絶人見知りで…。人見知りを隠すのって、とにかくしゃべるのが大事なので。今までそうしてきましたね（笑）」

　ジュノンボーイ・コンテストで準グランプリを受賞したのは17歳のとき。今年、31歳になった。20代からの10年は芸能界を走り抜けてきたが、「そんなにめちゃくちゃ変わったところはないかな」と笑いつつも、「やっと余裕が出てきました」と語る。

「年を重ねるにつれて、どんどん仕事が楽しくなってきました。デビューしてすぐのころは余裕がなくて、毎日追われてるっていう感覚だったんです。でも、30代に近づくにつれて余裕が出て、物事を俯瞰で見られるようになってきて。そうしたら演じることがどんどん楽しくなってきましたね」

　2023年はどんな一年にしたい？　

「来年も再来年もずっと同じことを言ってると思うんですけど、もっともっとフレキシブルに動いていきたい（笑）。一生かけてもすべての役を演じることはできないけど、いろんな作品やテイスト、そしてたくさんの監督や共演者と出会いたいですね」

　プライベートでバンド活動をしたいという夢も。

「ベースはちょこちょこやっていたので、仲間とスタジオに入ったり、小さなライブハウスでライブがやれたらいいかなって。第二の青春ですね（笑）」