たった一夜の物語なので、派手さは一切ない

　僕、出演者で最年少なんです。この歳になって最年少になると思ってなかったので、不思議な感覚ではありますね。僕にとって大スターの風間（杜夫）さんや、濱田（めぐみ）さんと共演できるなんて光栄です。新納（慎也）さんは２０２１年に『ＨＯＰＥ』というミュージカルで演出をしていただいて、お芝居でもご一緒できたらと思っていましたし、一緒のシーンも多くてうれしいです。こがけんさんはまだあまり話せてないんですが、声が本当に素敵で。Ｍ-１でおいでやすこがのネタがいちばん好きだったので勝手にうれしいです（笑）。立ち稽古が始まったばかりなので、これから作品を作り上げていくのが楽しみです。

　今回の作品は、大人のヒューマンコメディ。すごく笑えると思います。ストーリーは、エジプトの警察音楽隊が、イスラエルで目的地とよく似た名前の街に迷い込んでしまって、そこで地元の人たちと交流するという話。僕が演じるのは警察音楽隊が最初に訪れる食堂の店員のパピという青年。にぎやかな役柄なんですが、女性恐怖症で。そのパピが、異国の音楽隊との出会いをきっかけに少し歩みを進めていくことになるんです。音楽もとても素敵なんですけど、たった一夜の物語ですし、派手さは一切ないんですよ。僕らの日常に近いところでくり広げられているという感覚で観られるというか。人はひとりでは生きられなくて、みんなが支え合っているっていうのを感じると思うし、観終わったあとに、人にちょっとやさしくなれる、そんな作品な気がしています。