撮影中、ずっと跳び続けてくれました　撮影／KAZUYUKI EBISAWA（maikura office）

― JUNONに初登場いただくということで、おふたりの「自分のここはイケメン」というところを教えてください。

池谷　えー、生まれて初めての質問かもしれません。

高木　たしかに。

池谷　内面でいったら…40歳になって、デカ盛りファイターになったことですかね。根性と、気合と、3.5キロのごはんをちゃんと食べきるというわんぱくさ。これはイケメンなんじゃないですか。40歳になってからですから。体が衰えているのに抗って、頑張ってます。

高木　僕はそうですね。年々ジャンプ力が上がってきているんですけど。イオンとかに営業に行って、ネタのときにぴょーんって飛んで、すんごい遠くの人と目が合ったときは、あんなに遠くの人と目があうなんて、なんかイケメンだなって。

池谷　お客さんそれでイケメンって思わないよ(笑)。

高木　でも見てる人も、「あんなに高く飛べるなんて！」って、イケメンだなって思うんじゃない。「ガゼルみたい！」って。

池谷　よく言えるな。

高木　カッコいいなって。

― 今日の撮影でも、すごく軽やかに跳んでいただいて驚きました。

高木　けっこう飛びましたよね。でも芝生だったので、僕的には高さがあんまり出なかったんですけど…。

池谷　お前だけだよ、そんなこと言うの。

高木　芝生は吸収しちゃうんで、力を。コンクリートだったら15センチはいけたと思います。

― 先ほど“サイン会0人事件”の話も伺いましたが、活動されるなかで「まだまだだなぁ」と思うような、悔しい出来事は今までありましたか？

池谷　めちゃくちゃありますね、そりゃ。僕、クールポコ。の仙庭（せんちゃん）さんと似ていて、よく間違えられるんですよ。飲み屋でほかのお客さんに「あれ、もしかしてクールポコ。さんですか」って何回も言われてて。一回、そうですって言ったら、そうですよね！って言われて一緒に写真撮ったっていうのがありました。それはちょっとやっぱり苦しかったです。あとまた飲み屋なんですけど、隣にいたお客さんが声かけてくれて、「あの、失礼かもしれないんですけど、嫌かもしれないんですけど、ジョイマンのツッコミに似てるって言われませんか」って言われたこともあります(笑)。あ、嫌なんだ。嫌なんかなこれ、って。本人とは怖くて言えなかったけど、「いいと思いますけどね〜全然」って言っちゃった。

高木　本人かもなって、よぎったかもしれん。

池谷　本人かも！って思ってる人から「嫌かもしれないですけど」って言葉出てこないのよ。

高木　絶対に別人だと思ってたってことなんだね。

池谷　そういうとき、やっぱちょっと悲しくなります。

高木　僕は家族から「甥っ子が学校でお笑いのネタをやりたいって言ってる」って連絡が来て、あ、そうなんだと思って。おじさんがジョイマン高木だからなぁ、ジョイマンやんのかなとかうっすら思ってたら、甥っ子は当時流行ってたひょっこりはんをやってたっていうのはありました。「おじさんがジョイマンだからジョイマンやれ」っていうのは、もちろん言っていないですしちょっと変だと思うんですけど、その一報を聞いたとき、あ、ジョイマンじゃないんだっていうのは、ちょっと。ちょっとだけ悲しくなりました。もちろんいいんですよ全然。流行ってるし、ひょっこりはんやったほうがウケるだろうし。でも、親戚だったらジョイマンでもいいんじゃないかなっていうのは、ちょっと思いましたね。

池谷　あと、ふたりで岩手のコンビニのオープニングイベントに呼んでもらったことがあったんです。着いたらオープン記念のタスキをかけて、外でお客さんの呼び込みを5時間やったっていうのはありました。コンビニのオープニングイベントって、普通お店でネタをしに行くんですよ。そう思って行ったら、ネタはやらずに呼び込みのアルバイトみたいな(笑)。悔しかったですね。

高木　真冬の岩手で。

池谷　本当、すっごい寒いんですよ。国道に面していて、呼び込むといってもコンビニの前を通るのはほぼ車だから、声も届かない。高木が車道に向かって「ヒュイゴー」やったりとか。

高木　やるしかないよね(笑)。冬の岩手は本当に寒いですよ。

― サイン会でもお客さん0人からのリベンジを果たされたおふたりですが、悔しい思い出とは一転、「愛されてるな」と感じたこともありますか？

池谷　先日ホテルで開催された立食パーティーに営業で行きまして。お客さんが全員 60歳ぐらいの男性で、全員社長っていう。そこに、サプライズジョイマンだったんですよ(笑)。

高木　あったね(笑)。

池谷　めちゃくちゃ怖い。「大丈夫かな…」って、ふたりで打ち合わせして。

高木　60代の社長は…笑わないからね。

池谷　な。社長なんて、もう忙しすぎてジョイマンはおろかお笑いを見てないはずなんですよ。60代へのサプライズ芸人はモノマネタレントがいちばんじゃないですか。ラップじゃなくて。

高木　そうね。松山千春さんのモノマネがいちばんいいよ。やっぱり。

池谷　とかな。それで怯えながら出ていったら、予想とは違って、みなさんめちゃくちゃあったかくて。本当にお客さん全員が。席から立ち上がって、高木の「ナナナナ〜」をみんなニコニコやってくれたりして。その光景を見て「この先輩方が僕たちのことを好きでいてくれてるんだ」って思って、なんかすごく素敵な気持ちになりました。

高木　あとはやっぱり普段テレビとかで、芸能人の方がジョイマンのネタをやってくれているのを見ると、普通にびっくりしたりします。「え、やってくれるんだ」というのはありますね。

池谷　ちょっと昔だったら、“誰かがジョイマンのネタをやる“って、なんか、イジってるジョイマンだったんですよ。“古いよ！”とか言われるためにジョイマンをやるという感じだったんです。今僕たちのモノマネをしてくれる人たちって、好きでやってくれている感じがするんですよね。なんか、愛してくれてるんだなって思います。

高木　そう感じられるようになったのも、ここ数年ぐらいかな。