1話放送後、その衝撃的なストーリー展開で超話題の新ドラマ『顔に泥を塗る』。メイクの力で前に踏み出し、人生を変えようとするヒロイン・美紅(髙橋ひかる)のモラハラ彼氏・結城悠久(通称・ハル)を演じる西垣匠くんに、お話をうかがいました！

――1話で、演じるハルが、綺麗にメイクをした彼女の美紅の頭からクレンジングオイルをかけるシーンはあまりにも衝撃的でした。でも、モラハラ彼氏を演じるのって大変ではないですか…？

ここまで振り切った役は今まであまりチャレンジしたことがなかったので、出演が決まったときは演じるのが楽しみでした。ハルがモラハラ行動をとるのは、ベースの部分には愛があってのこと。そのうえで、普段、僕自身は取らない行動を取る、ということなので、たとえばクレンジングオイルを美紅にかけるシーンも、お芝居として楽しんでいる感覚がありましたね。躊躇せずにクレンジングオイルをかけることでハルの怖さが表現できると思うので、そこは動きを止めず、一連の動作としてやりました。ただ、撮影本番のときは、美紅の衣装のこともありますし、一回で撮らなくてはいけなかなったので、助監督の方を相手に何度も練習させていただきました(笑)。

――ハルを演じていて、何か感じるところ、思うところはありますか？

ハルは、かつての自分を見ているようだなと思うことがあります。僕がモラハラをしていたということではないですよ！(笑)　僕は、事実と結果でしか会話ができない部分があって、ハルもどちらかといえばそのタイプだと思うから…。その人の感情を根拠に会話をされると急に理解ができなくなっちゃうんですよ。例えば、東京に遊びに来ていた友だちと会っていて、「今解散しても、帰りの電車の時間には早いから、もう一軒だけ行こうよ！」と言われたとします。それって「今解散したらさみしいから」じゃないですか。そこで僕は「あと一軒行って、何が生まれるんだろう」って思っちゃう(笑)。もちろん、すごくいい時間になるかもしれないんですけど、「さみしいから」という理由で提案されると、すごく難しい数学の問題を出された感覚になるんです。それこそ美紅は、けっこう感情で闘ってくるタイプ。ハルを演じていて、過去の自分を顧みて、相手の気持ちをもっと汲む努力をすればよかったと思うこともあって…。会話している相手の気持ちに寄り添えるようになりたいと思っています。今でもそこは勉強中です。