季節

　11月も終わって、いよいよ2024年も締めに突入した今、いかがお過ごしでしょうか？　僕は11月に入ったにも関わらず、衣替えがうまく衣替わらず夏服を重ねることでなんとか体を温めています。「早く冬用の服を引っ張り出さないと」なんて思いながら街を歩いていると、なんと少し前までハロウィンのイベントで賑わっていた街が突如としてクリスマス仕様に切り替わっていました。毎年思うんですけど、ここの切り替えの速さ尋常じゃないですよね。かぼちゃのオレンジで彩られていた街がある日を境に急に白く染まる感覚、季節を感じるとはこのことかと毎年驚かされます。周りの友達もその日を起点にクリスマスを感じ、どことなく冬の空気感を出してきます。冬ほど明確にボーダーラインがある季節はないでしょう。そんな時、僕はいつもこう思います。

「待ぁってよぉ、まだ11月じゃん」

　言わずもがなクリスマスは12月25日、ハロウィンからクリスマスに直結させてしまうとクリスマス本編まで約2か月弱の間が生まれてしまいます。それでも街はもうクリスマスだぞと言わんばかりに店頭にクリスマスの商品を置いてツリーを飾り、一年の最後に構える特大イベントへの「助走」を始めます。僕はこの感覚にいつも悩まされます。確かに街がイベントに備えて賑わうのは素晴らしいことですが、そこで賑わうことのできる人もいればできない人もいます、それは僕です。毎年1月には、

「よし、今年こそは目標を立てて年末までにやり切ろう」

「よし、今年こそは部屋を改造して過ごしやすくしよう」

「よし、今年こそはたくさん外に出よう」

「よし、今年こそは字がきれいになりたいな」

…何もやってないんですよ。

こうして年の初めに目標を決めるんですよ。いわば誰よりも早く年末までを見据えた年単位の助走を始めてるわけですよ。でも結局、後回しにして何も成し得ないままに季節は流れ、空はすぐに暗くなる。あと2か月近く残されていると思ったら唐突に街が「今年も終わりだね！」感を醸してきます。早い、早すぎる！　心の中に渦巻く危機感、無力感、罪悪感、後悔、その全てがクリスマスへ進む街と僕の心を引き剥がしていきます。年単位の助走で息切れした僕を、周りの全ての人が圧倒的速度の助走で追い越していきます。やっぱり1年の目標は早めにやっておくものですね…。